日本 名水の“美水”が生んだ神奈川の酒
神奈川の酒造りは、相模湖・津久井湖の周辺で県北に位置する【津久井湖エリア】、相模川沿いで県央に位置する【厚木エリア】、丹沢山系に抱かれた山里で、県西に位置する【箱根エリア】の3つにわけることができる。酒造りには大量の水が必要だが、丹沢山系から湧き出る水は、東北の八甲田酸ヶ湯の水、養老山系の水、そして関東の丹沢山系の水を総して、日本の三名水といわれている。神奈川の酒蔵は、この丹沢山系を源とする相模川や酒匂川からの豊かな伏流水を仕込み水として利用ており、2つの川に沿うように酒造が分布している。環境省が選定した「名水百選」にも山北町の酒水の滝・滝沢川と秦野にある弘法の清水、今泉湧水池、曽屋神社、春巌水源といった秦野盆地湧水群が選ばれており、丹沢山系の水がいかに“ 美水” であるかが証明されている。横浜や横須賀に寄港する船は、今も食料だけでなく必ず神奈川の水を補給していく。これはただ神奈川の水がいいだけでなく、赤道を越える⾧い航海においても水が変質しない、という定評があるという。このような“ 美水” を生かして神奈川県の酒造りは古くは18世紀から19世紀にかけて多くの酒蔵が誕生した。
参照:神奈川県酒蔵組合HP